VMware Explore 2022(米国)にて発表された「vSphere 8」を私見を混ぜながら追っていくコーナーです。
まず、vSphere 8とはなんぞや!?からですが、概要に関してはネットワールドさんが最速でまとめ記事を出してますので、そちらをご覧いただければと思います。
https://frontier.networld.co.jp/news/20220831-vmware-explore2022-us/
※ 基本的には、公式ブログの内容を追う形で紹介します。
vSphere 8の特徴:4つの軸(公式スライド)
それでは早速、公式ブログにて公開されている内容を確認していきたいと思います。
まず導入部分で謳われているのは次の4点です。

- Get Cloud Benefits On-Premises
クラウドのメリットをオンプレミスでも享受可能 - Supercharge Workload Performance
ワークロードのパフォーマンス向上 - Enhance Operational Efficiency
運用効率の向上 - Accelerate Innovation for DevOps
DevOpsのためのイノベーション加速
特に重要なのは1点目ですね。VMware社が近年推し進めているVMware Cloud on AWS(VMC)を拡張して、考え方がオンプレミスにも適用できるようになるよ!という意図が込められていそうです。
今回の発表では、VMC with Amazon FSx for NetApp ONTAPや、VMC Flex Storageといった新しいストレージサービスが公開となっており、今までVMCを構成する上で弱点となっていたストレージ部分に手が入れられています。
ここからは、注目の機能をピックアップします。
クラウドライクな考え方
vSphere 8では、新しい概念が取り入れられました。それが、Workload Availability Zones (ワークロードアベイラビリティーゾーン)です。(略称はWAZか、ワークロードAZとかになりそうですね。何でも略したがるのは日本人だけらしいですが・・・笑)
そのWorkload Availability Zonesを用いると、複数のvSphere Cluster間にまたがって可用性を向上させることができます。
可用性のためには、図のように3つのゾーンが必要なようです。AWSでも東京リージョンは3AZなのでイメージはし易いですね。

仮想ハードウェアバージョン 20!
ついに仮想マシンのバージョンが20に到達しました。(当たり前ですが、仮想マシン ハードウェアバージョン19はESXi 7.0 Update 3です)
更新内容は以下です。
- Virtualize Hardware Innovations
最新のIntel/AMDのCPUに対応
デバイス仮想化の拡張
DirectPath I/O ※のデバイス上限が32台へ (※物理PCIへのアクセス) - Guest Services for Application
vSphere DataSets (vSphereとゲストOSの間でキーと値のセットをやり取りできる新機能)
アプリケーションを認識した上での移行
最新のゲストOSに対応 - Performance and Scale
vGPUのデバイス上限が8台へ
デバイスグループの実装 (詳細不明)
ハイパースレッディングによる高レイテンシ対応
純粋な性能強化という感じですね。vSphere DataSetsは、AWSのSecrets Managerのようなものを想像してますがどうなんでしょうか。時間があれば検証してみたいと思います。
TPMプロビジョニングポリシー
個人的に一番「おお!」となった部分です。そもそも、Windows 11のデプロイには、TPM2.0を持つ必要があるため、vTPMデバイスというものをアタッチする必要があります。
これは仮想上デバイスにあたるため、仮想マシンをコピーするだけではシークレットも複製することになり完全にセキュアとは言えない状況でした。
今回のアップデートではこれを改善すべく、展開操作中に「置き換え」を選択できるようになっています。
Horizonのような、大規模にWindows 11が必要な場面でも役に立ちそうですね。

vSphere 7.xのEOSL
さて、これは案内ですが、vSphere 7をご利用の場合は、サポート期限が以下となっています。
計画的にアップデートしていきましょう。
General Support 終了:2025/4/2
General Support
新規ハードウェアのサポート、ゲストOSのアップデート対応、およびバグ修正・セキュリティの修正が提供されます。
Technical Guidance 終了:2027/4/2
Technical Guidance
安定した環境での運用を想定したサポート期間となります。
サポートされている構成での問題に対し、既知事例ベースで提供可能な回避策の提示を行います。
新規ハードウェアのサポート、ゲストOSのアップデート対応、および新規のバグ修正・セキュリティパッチは提供されません。
終わりに
vSphere 8については、次世代のインフラストラクチャを実現する上で必要な機能・要素が増えていると感じました。
数年後の未来、ユーザー目線ではオンプレ・クラウドの境界線が分からなくなるのではないでしょうか。いや、既にそうかも。
最近ESXiを旧バージョンに塩漬けられている環境を多く見ているせいか、サポート期限には口酸っぱくなってきました。笑
価格も年次で上がり大変なところですが、何卒、最新バージョンの導入検討いただけると・・・
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